わが家の母はビョーキです

統合失調症のお母様を持つ著者のこれまでを描いたコミックエッセイ。
著者が4歳の時、お母様が突然統合失調症を発症され、そこから母娘二人三脚で歩んでこられた著者。
時には絶望的になりながらも、著者のご結婚を機にそれまでの人生が一転したというお話です。
私は恥ずかしながらこの統合失調症という病気をほとんど知りませんでした。しかし、世の中の100人に1人はこの病気にかかっているとのこと。つまり、これまでは全く関係が無かった方でも今後どこかで関わるかもしれない。友達かもしれないし、家族かもしれない、もしくは自分かも。
実はそんな身近な病気だからこそ、こういった体験談を知るのはとっても大切なことだと思いますし、活字だけで知識を得るよりも読みやすいコミックエッセイの形の方が何倍も理解しやすいのではないかと思います。
これもコミックエッセイの良さですね。
この本を読んでいるとご家族の大変さがとってもよく分かります。もちろんご本人が一番苦しんでいらっしゃるのだとは思いますが、この本自体がご家族からの視点なので、支える事の大変さや辛さがひしひしと伝わってきました。
時には「死」を意識する(私たちが考える以上に)ことが頻繁にあるような生活はどれほどのものだったかと想像を絶します。
また、支える人次第で良い方向に向かう可能性があることや、お医者様も含めてしっかりとした連携が重要だということなども知ることができました。
『もし自分が著者の立場になったらどうしよう』と考えたり、実際に著者と同じ立場にある方々で誰にも相談ができない状況にある方には絶対に読んでほしい一冊です。
このコミックエッセイは「統合失調症の家族を支える参考書」と言って良いと思います。
中村ユキさんが描くコミックエッセイ「わが家の母はビョーキです」を読んでみたい方は、
神戸湊川パークタウン2階中央 Otonari
コミックエッセイ専門店|ATMOS
へお越しください。